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安倍政権「製造業の復活で経済成長」の大ウソ

【政治・経済】

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2013年2月2日 掲載

半世紀ぶりに1000万人割れ

<数十億円の予算で何がやれるのか>

 製造業で働く人が昨年12月に1000万人を下回った。ピークは1992年10月の1603万人。20年間で600万人以上の雇用が消失したことになる。安倍政権は「強い製造業の復活」を成長戦略の柱にしているが、ハードルは高い。

 製造業の1000万人割れは1961年6月以来、なんと51年ぶり。「三丁目の夕日」の時代に逆戻りである。

 東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏が言う。
「日本の製造業は目に見えない敵と戦っています。タイやミャンマー、インドなど、生産コストがとてつもなく安い国々が競争相手。社員数を減らし、給与も抑制しなければ、対抗できません。生産拠点もどんどん海外に出ている。就業者数が大台を割り込むのは当然の流れだし、昨年は現金給与総額もバブル後最低を更新しています。大台回復は見込めません」

 経営者も「大きな流れは変わらない」(神戸製鋼所・藤原副社長)、「国内の新たな製造工場などで雇用を増やす方向には戻らない」(JVCケンウッド・江口社長)と言っている。国内の製造業はメタメタだ。

 そこで安倍政権は、製造業を復活させ、経済を成長させるシナリオを描いている。日本の高度成長は、ものづくりが牽引した。自動車や家電は世界で信頼を獲得し、メード・イン・ジャパンは市場を独占。国内でつくった製品を海外に売ることで社員の給与は増え、個人消費が盛り上がり、景気も拡大していった。あのころの夢よもう一度、というわけである。

 そんなうまい話があれば結構なこと。ぜひ、推し進めてもらいたいが、来年度予算案を見ても、その道筋は見えてこない。

「製造業復活に必要なのは、コストの安い新興国を2周遅れにするぐらいの圧倒的な技術力です。それには、日の目を見ていない有望な技術に予算をつけ、ものになるまで支えることが重要。例えば、iPS細胞などの再生医療関連に10億円を計上していますが、すでに広く知れ渡った技術です。それよりも、隠されている分野に光を当てる政策を進めるべき。エネルギー関連など、丹念に見ていけば、眠っている技術はたくさんあるのです」(斎藤満氏=前出)

 モノになることが分かっている技術には、放っておいても民間企業が飛びつく。わざわざ税金を投じて育てるまでもない。国がやるべきは、それより前の段階の幅広い支援というわけだ。

 省エネ効果の大きい半導体の開発や新しいプラスチックの開発など、ほかにも予算はついているが、いずれも数十億円程度。「10年で200兆円」という国土強靱化に比べるとスズメの涙だ。本気で製造業の復活を考えているのか疑わしいレベル。これでは、ものづくりの担い手も減る一方である。

 結局、安倍がやろうとしているのは公共事業のバラマキだ。土建業界だけが潤う旧来の自民党政治である。
~2013年2月2日以前の記事~

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