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【話題の焦点】
2007年1月17日 掲載
藤田東吾氏が自費出版した「耐震偽装バクロ本」

「巨悪は政治家と役人、記者クラブ」

 昨年12月末にひっそりと自費出版された「月に響く笛/耐震偽装」というノンフィクション本が話題を呼んでいる。著者は、耐震強度偽装事件でヒューザーの小嶋進社長(詐欺罪で公判中)らと共に世論の集中砲火を浴びたイーホームズ元代表の藤田東吾氏(45)。大手出版社から出版予定だったがボツとなったため、執念で自費出版したらしい。藤田氏といえば、逮捕後、メディアからはすっかりツマはじきにされている。しかし、この本の中身は生々しい。
 例えば、05年12月26日に国交省で開かれた耐震偽装に関する第1回緊急調査委員会。藤田氏は、「確認検査機関のミスだ」と会見した佐藤信秋事務次官に間違いを指摘したところ、〈佐藤氏は面白くなかったようで、会議の途中に席を立って出て行った〉というのだ。呆れた無責任次官だが、この佐藤氏は今度の参院選で自民の比例区から立候補する。
 当初は対国交省でヒューザーの小嶋社長と“共闘”する可能性もあったようだ。国会参考人招致の控室で、小嶋社長の様子はこうだったという。
〈一人すたすたと僕らの方にやってきた。藤田社長。いろいろひどいことをマスコミに言ってすみません。国交省を叩きます。どうかその点をよろしくお願いします〉
 しかし、ありのままを話す藤田氏に小嶋社長は激高。「何言ってんだよ。ふざけんじゃねえぞ。この野郎!」と叫んだのは周知の通り。
 藤田氏は、取調室でのやりとりも書いている。
〈最初から僕を蔑む視線で調書を取ろうとした渡辺検事は、結果的に一枚も(耐震偽装の)調書を作成できなかった〉
 改めて、藤田氏に聞いてみた。
「事件は、姉歯秀次元1級建築士の犯した個人犯罪ということで終息しようとしているが、巨悪は別にいる。事実を隠蔽する政治家と役人、それに迎合する記者クラブ所属の記者たち。その愚かさを知ってもらうため、手記を発表しました」
 この本は自費出版ながら、大手書店が扱っている。藤田氏の言い分を100%うのみにはできないにせよ、話題になるのもわかる気がする。



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