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【ビジネス&企業News】
2008年7月1日 掲載
田淵節也・元野村証券会長 墓場まで持っていったコト

「政・官・財・暴」の中心的人物

 光もあれば闇もある。証券界のドン、田淵節也元野村証券会長が6月26日に心不全のため84歳で死去し、全国紙が訃報を掲載した。だが、大半が野村を利益日本一のガリバーに導いた功労者としての「光」の部分。田淵氏といえば、清濁あわせのむ“ドン”だったのに、「闇」について報じた新聞は少なかった。田淵氏には「墓場まで持っていった秘密」があるとされる。“生前”に語って欲しかったことはいくつもある。
 まず、避けて通れないのが闇勢力とのつながりだ。
 表沙汰になったのは広域暴力団・稲川会の石井進会長との関係だ。石井会長が1989年4月から始めた東急電鉄株の買い占めに協力。同年10月18日から始まる東急株の大相場の演出に手を貸した。野村は東急株の買い指令を本店から全国の支店に出した。これは野村の内部資料で分かっている。しかし、ドンは国会喚問で株価操作は全面否定した。本当のところはどうだったのか。
 2つ目は政治家への利益供与疑惑だ。
 中でも自民党の竹下登元首相との関係の深さはよく知られている。
 元政界の大御所がこう振り返る。
「“T口座”と呼ばれ、自由に使える秘密口座がウワサされていた。田淵氏が田中派から飛び出して創政会を結成した竹下派を資金面で支えていたのは公然の秘密でした。他にも中曽根康弘、宮沢喜一ら歴代首相との付き合いも深かった」
 損失補填と大蔵省の関係も闇だ。後任の田淵義久社長が株主総会で、「損失補填は当局の承認を得ていた」と口を滑らせたことで問題になった。両田淵氏は引責辞任。ドンは、「大蔵省の仕打ちは腸(はらわた)が煮えくり返った」と後に述べている。
 当時、野村と大蔵省はズブズブだった。「大蔵省内のトイレで交わされた会話の内容は1時間もすれば野村に伝わる」と言われたものだ。大蔵官僚の天下り先をつくってやっていたのもまた野村だ。
「政・官・財・暴」の真ん中にいたのが田淵元会長。きれいごとの訃報では読み足りない。



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