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【日本人を劣化させるテレビの大罪】 2008年3月25日 掲載
お祭り騒ぎと出口調査頼みの選挙報道公選法を盾にリスク取らず 「80年代まではNHKに対抗して当確競争をやっていたけれど、勝ち目がないので演出に走った」(民放の報道幹部) テレビの選挙特番が今のようなお祭り騒ぎになった歴史は案外古い。かつて選挙は翌日開票だったため、当確競争は新聞朝刊が主戦場だった。これが即日開票になりテレビへ移った。 昨夏の参議院選挙では、日本テレビが選挙特番の司会にタレントの島田紳助を起用し、話題になったが、過去には巨人戦中継(視聴率が今のように低迷していなかった頃)の中で2画面にして開票状況を伝えたり、タモリを司会に据えて「笑っていいとも」とのコラボもあった。「ゲキセン!」「踊る大選挙戦」……。人気ドラマを模した選挙特番タイトルにも、演出至上主義が表れている。 今、各局が最も力を入れるのは、投票当日の出口調査だ。午後8時に投票箱が閉まった瞬間、特番のオープニングで結果をドーンと出す。選挙期間中の取材による分析ではなく、出口調査データの精度の競争。そこに大量の人と大金が費やされる。23日に投開票が行われた熊本県知事選でも、開票作業開始早々、蒲島郁夫氏の当確が出た。しかも、開票画面の表では2番手だったのにである。 「選挙報道の原点を忘れている」というのは、「政党が操る選挙報道」などの著書があるジャーナリスト・鈴木哲夫氏。 「本来の選挙報道の役割は、有権者の投票行動に参考となる材料を提供すること。投票箱が閉まった後ではなく、選挙運動期間中こそ力を入れるべき」 こういった観点から考えると、民放の姿勢はお粗末だ。昨夏の参院選での丸川珠代氏に関する報道がイイ例。海外駐在から帰国して3年も経っていたのに、転入届を提出せず、選挙権がなかった問題で、週刊誌やスポーツ紙は大きく扱ったが、テレビのニュースや報道番組はほとんど伝えなかった。 「公選法を理由にして、公示(告示)後の選挙報道は、候補者を何でも平等に扱おうとする。すると、選挙妨害と言われるのを避けるために、負の情報には触らなくなってしまう。テレビ局の自己防衛です。候補者が一票を投じるに値する人物なのかどうか、負の部分も平等に視聴者に伝えればいい」(前出の鈴木氏) 小泉時代のように、権力の支持率が高ければ批判せず、安倍や福田のように人気がなければ叩くのも、リスクを取らない迎合主義のテレビらしいところ。そこにはジャーナリズムなど存在しない。 |
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