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【この人物のオモテとウラ】
2005年3月1日 掲載
志賀俊之(日産自動車COO)

6年ぶりの日本人トップは大政奉還を実現できるか

●大阪府立大卒の生え抜き
 自動車業界では、ゴーンの分身、なんて呼ばれ方をしている。2月21日に日産自動車が、志賀俊之常務(51)の最高執行責任者(COO)就任を発表した。日産が経営陣にCOOを置くのは、1999年のカルロス・ゴーン以来。事実上の日本人の経営トップ誕生だ。
「ゴーンは1年後にCOO兼社長となり、その後、最高経営責任者(CEO)に昇格して経営を指揮してきた。そのため、業界では、今回の人事について“いよいよゴーンの後継指名か”との声も上がったものです」(事情通)
 が、そう簡単に日本人への“大政奉還”とはいきそうにない。
 焦点の志賀常務は、和歌山県出身の1953年生まれ。76年に大阪府立大学経済学部を卒業して日産入りした生え抜きの幹部社員だ。
「彼は入社後、一貫して海外の営業畑を歩んできました。94年からの3年間はインドネシアのジャカルタに駐在。トヨタや三菱に水をあけられていた東南アジア市場で、インドネシアだけは巻き返し、それが評価されたのが出世のきっかけです」(経済ジャーナリスト)

●ゴーンとやりあった実績
 帰国後、経営の中枢を担う本社の企画室長に就任し、経営難に陥った日産の再建に奔走。99年から、ルノーとの提携作業を担当するアライアンス推進室長を兼務するようになる。
「社内で、クロス・ファンクショナル・チームと呼ばれるルノーとの横断組織に所属し、ゴーンと直接やりあったようです。そこで、ゴーンから認められ、彼の経営理念を実践していくようになったのです」(日産関係者)
 00年4月、ゴーンの社長就任が決まったと同時に、常務に抜擢される。当時、46歳の若さ。日本人常務としては、ただ1人、本社の意思決定機関「エグゼクティブ・コミッティ(EC)」に参加するようになったことで、話題を呼んだ。

●1年の3分の1を海外出張
「ゴーンは『日産180』と題した中期経営計画を立て、05年までに世界の販売台数を100万台増やし、360万台に乗せるとした。そこで、志賀さんは世界中の販社を細かく回り、実績を上げた。年間販売台数が数百台の中南米にまで行き、1年のうち3分の1以上を海外出張で過ごすほどの活躍でした」(前出の関係者)
 日産はこの6年で販売台数を1.3倍にし、営業利益も1.4倍に伸ばす。志賀常務の評価はますます高まり、この4月のCOOへの昇格となったのである。
「今回の人事は、ゴーンのルノーCEO就任に伴うもの。忙しいので留守を任せようというだけ。ゴーン自身、日産のCEOを辞めるつもりはない、と言っていますから、10年は今の体制が続くでしょう」(経営評論家)
 週末は愛車の日産「エルグランド」で夫人と買い物に出かけるという新COO。やはりフランス人の傀儡(かいらい)にすぎない。



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