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【すこやか生活術】
2006年12月12日 掲載
高血圧の人は3倍うつ病になりやすい

突然死の恐れに加えて…

 高血圧や狭心症の人は、突然死につながる重大病に襲われるリスクが高いが、もうひとつ「うつ病」にもなりやすいという。内科医ながら、うつ病治療に成果を挙げている「三木内科クリニック」の三木治院長に聞いた。
「高血圧や狭心症など循環器疾患は、動悸や頭痛などの症状があります。その症状は断続的で、死ぬまでの付き合いになるケースも多く、常に“重大な発作が起こるのか?”という発作リスクにさらされるのです。中には、このリスクを強烈に受け止める人がいて、こういう人がうつ病になりやすいのです」
 米国の研究によると、高血圧患者のうつ病合併率は36%。非高血圧患者の合併率は11%だから、3倍以上うつ病になりやすいということだ。
 ほかの循環器疾患患者も、合併率が高く、脳卒中27%、心筋梗塞にいたっては45%である。一般にうつ病患者は、人口比で5%前後とされるので、循環器疾患が持病の人のうつ病合併率がいかに高いかがわかる。
「海外のデータなので、この数字を単純に日本に当てはめることはできませんが、循環器疾患の人が健康な人に比べて、うつ病を発症しやすいことは間違いありません」
 うつ病を合併すると、ベースにあった持病が重症化しやすいというから厄介だ。
「うつ病を発症すると、生活習慣が悪化しやすいのです。たとえば、うつによる睡眠障害をアルコールで解消しようとして酒量が増えたり、気分が落ち込んで運動量が激減したりします。食事も食べたり食べなかったりで不規則になる。このため軽度の高血圧でうつ病を合併している人は、心筋梗塞などの発作が起こりやすいのです。すでに発作を経験しているうつ病合併者は、発作を再発しやすくなります」
 うつ病を合併している心筋梗塞患者と、合併していない心筋梗塞患者を追跡調査すると、合併者の死亡率の方が3倍ほど高いという。持病と並行してうつ病の治療を行う必要があるのだ。
「今はうつ病治療に有効な薬があります。特にSSRIは効果的。服薬を続けることで、うつ病が改善されるのはもちろん、狭心症的な胸の痛みが抑えられ、血圧も安定するなど、ベースにある循環器疾患の症状が改善するケースさえあるのです」
 うつ病治療にSSRIを使用している心筋梗塞患者は、使っていない患者に比べて明らかに再発率が低いという報告もある。「病気なんだから気分が落ち込むのは当たり前」とあきらめず、うつ病を疑ってみてはどうか。



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