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【タレント人別帳】
2007年11月24日 掲載
市川海老蔵

由緒正しき甘えん坊

“歌舞伎界一のモテ男”市川海老蔵(29)を見ていると、いつも何か澱(おり)のようなものが心に残る。
 いつもかぶってるニットキャップが似合わないなんて類の話ではない。隠し子発覚の昔から、何を言われようと「歌舞伎界では無問題。下界には興味ないし」みたいな顔でやり過ごす落ち着きぶり。その“やんちゃ”も含めて「流れる血が違うんだよな」と思わせる一方で、何か消化しにくいのだ。
 ちょっと前になるが、「名門に生まれるということ〜市川海老蔵・宿命と苦悩の物語〜」(フジテレビ)というドキュメンタリーを見た。今春に行われたパリ公演に向けての海老蔵を追っていたのだが、これがまた何とも。海老蔵は自宅の居間でフランス人女性に会話を教わり、できあがった扇子の色味にダメ出しし、団十郎と芸の見せ方で激しく口論する。パリでは一流ホテルのスイートに布団を敷き詰め、作務衣(さむえ)姿で闊歩(かっぽ)する……。
「とくダネ!」の中で“今週のエビ様”などといじりまくってるフジが贖罪(しょくざい)で作ったかのような演出は、繊細で麗しいエビ様像を描いて余りあったのだが、ちょっと無理があった気がする。
 そもそも、父に反目しまくる29歳ってどうなんだろう。29っていえば世間では立派な大人だ。歌舞伎界の事情は知らんが、そこをスルーして「歌舞伎を世界に通用するアートに」「何もかもひっくり返したい」と夢語りされても、オムツ取れてから言ってくんないかなと思うのが普通ではないか。
 海老蔵のそんな甘えん坊っぷりこそが、おばちゃんファンの愛の粘度を増すツボなんだってことはわかる。芸能リポーターの武藤まき子とか、ヨダレ垂らしそうな勢いだし。佐藤江梨子ごときに出る幕はないでしょう。
 ただ、冷静に見ると迷いを抱えて漂う姿がカワイイ頃合いはとっくに過ぎてると思う。見た目も年齢も。そろそろ、大きな顔にふさわしい“大海老”に脱皮しないとね。

◆コマツサキ…テレビのワイドショー観賞が何より好きな女性テレビライター。日々、画面から匂う「なぜだ?」を黙々と考え続けている。



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