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【あの人は今こうしている】
2007年1月25日 掲載
砂塚秀夫(俳優)

母親が熱海市内に300坪以上の土地を残してくれたそうだ

 きょう登場の砂塚秀夫さんは、かつて軽妙な演技で売れに売れた俳優。“カミカゼタレント”のハシリといってもいいだろう。映画、テレビ、舞台とジャンルを問わず、そのコミカルな個性は見る人の心をガッチリつかんだ。しかし、最近はさっぱり表舞台に出てこない。さて、今どうしているんだろう。

「トシ相応に隠居生活を楽しんでるよ。オレ、若く見られるけど、とっくに60代は卒業しちゃってるからね。今さらあくせくコメディー芝居続けたくないんだ」
 横浜中華街の喫茶店で会った砂塚さん、こういって白い歯を見せた。オイオイ、ホントかいな。黒々とした髪にツヤがある顔。とても古希を過ぎた人じゃない。
「髪は染めちゃいないよ。自分でも不思議なことに、黒いままなんだ。ナニ、その疑わしい目は? ハハハ」
 砂塚さんは昭和ヒトケタ代の熱海生まれ。芸妓置き屋の息子として育ち、日大芸術学部卒業直前に岡本喜八監督に指名され、「顔役暁に死す」で映画デビュー。以降、岡本作品の常連になる一方、映画、テレビ、舞台で大活躍した。
「最近、岡本監督の映画のDVDが続けざまに出てるだろ。まあ、懐かしいこと。当時、監督は若手俳優をつかまえては、“演技の勉強やるなら、砂塚のとこに行け”といってくれてた。ありがたい話だわ」
 一体、出演本数はどのくらいになるのか?
「正直、見当もつかないよ。東京と大阪を飛んでた全日空の夜行便で月27往復した時期もあった。その後、藤田まことさんが“毎月(夜行便で)20往復してた”って話したけど、その程度じゃ自慢にならないっての。オレは岡本監督だけじゃなく、あの山田洋次さんの撮影を2時間待たせた前科もあるしね、ハハハ」

 CMでも「サッポロ一番」などで売れっ子だった。
「あれはコロッケが売れ始めた頃だった。オレに漫談をやれ、って勧めるヤツがいて、芸名は“ハンバーグ”でどうだ、というんだ。これはひと晩考えたすえにやめたよ」
 とはいえ、芸はまだサビついていない。
「そう、去年、夫婦でヨーロッパ旅行したとき、水の都はベネチアで興に乗って歌ったところ、外国人の旅行者から投げ銭をもらった。オレの芸は海外でも立派に通用するってことさ、ハハハ」
 熱海市内の自宅に夫人とふたり暮らしだ。
「ありがたいことに、オフクロが残してくれた土地が300坪以上あってね。ノンビリ余生を送れそうだよ。もっとも、心配の種がないわけじゃない。近所に住む長男はまだ独りモンで、四国の建材店に嫁いだ長女はちょっと前に流産してしまった。あれはかわいそうだったなあ」



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