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【NEW WAVE】
2005年1月16日 掲載
文藝賞受賞 白岩玄氏に聞く

映像がふわっと頭に浮かんで、それを書き出しただけで…

「映画ならガッツリ2時間楽しめる、広い意味でのエンターテインメントを目指しました」と語る白岩玄氏。最新刊「野ブタ。をプロデュース」(河出書房新社 1000円)は、クラスの人気者高校生・修二がイジメられっ子編入生・信太の“脱イジメ”をプロデュースする物語。今春の芥川賞最年少候補にもなった話題の青春小説だ。

〈作品概要〉 誰にも嫌われないよう適当におちゃらけ、まるで着ぐるみショーのキャラクターのように自分を巧みに隠す高校生・修二。男子あこがれのマリ子ちゃんに、お弁当を作ってもらえるクラスの人気者でもある。
 その修二のクラスにデブでブ男、メガネの“野ブタ”こと小谷信太が編入し、生徒たちはイジメモードに突入する。だがトイレでイジメられ中の小谷を修二が助ける羽目に。感動した小谷は修二に弟子入り志願し、修二の珍妙な“野ブタ・脱イジメプロデュース”作戦が始まるが……。

――おちゃらけで本音を隠す主人公・修二の描き方が絶妙で、文藝賞選者の高橋源一郎が絶賛。親父世代も好感をもちそうだが、こういう物語はどこから?
「これまでほとんど小説も読んでこなかったし、とくに作家を目指したわけでもなく、ただフラフラッと書きだしたというか。映像が頭にふわっと浮かんできて、それを積み重ねるように書いただけです。高校を舞台にしたのは、僕自身まだ人生経験が短いものですから手近なものを、と。学校は一番近くてリアル、ということもあります」
――修二にだけお弁当を作ってくれる男子あこがれのマリ子ちゃんに、信太もほれる。修二もちょっとした葛藤を抱くわけだが、一番書きたかったことは?
「小説とは読み手が2時間、3時間楽しめるエンターテインメントに尽きる、と思ってます。ただこの世界(作家世界)、若い人が少ない感じで、大人の方は“何言ってんだ、コイツ”と思うかもしれませんが、自分が書くことを許されるポジションにいるのであれば、若い世代として普段思っていることを語る価値はある、と。そこですね」
――今時の若い世代代表の覚悟あり、と。それならオヤジ世代の日刊ゲンダイの読者にひと言。
「今の高校生ぐらいの世代って、何も考えていないから、意味のないことをやたらとしゃべくることも多くて、大人は腹が立つでしょうが、誰もが経験する“思春期の今”を楽しんでいただけたら。同世代のお子さんをお持ちの方なら、お子さんたちが何を、どう考えているのかもわかって面白いのでは」
 血液型O型の蟹座。趣味は「やっぱり自分以外の人の思い、人生を知らないと何も書けませんから」と“他人としゃべること”。もともと広告の世界に引かれ、昨春、専門学校にも入ったとか。今後については「こういう賞を受賞して書くチャンスをいただけた以上は、何か意味を伝えたり、作る職業に就いていきたいですね」と謙虚に語る。女流若手が何かと話題の昨今だが、どっこい男の子も負けてはいない。

しらいわ・げん 1983年、京都市生まれ。京都府立朱雀高等学校卒。自立体験を兼ねた約1年間のロンドン語学留学を敢行、帰国後アルバイトをしながら小説を書きだし、本作品で第41回文藝賞を受賞。現在、広告デザイン系の専門学校に在学中。



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