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【今週のミステリー】
2007年2月13日 掲載
ポルノ映画館で爆破事件が…

「死の開幕」ジェフリー・ディーヴァー著、越前敏弥訳(講談社 838円)

 ジェフリー・ディーヴァーといえば、いまやジェットコースターミステリー、ノンストップ・サイコサスペンスの名手として知られているが、本書は、まだそうした形容詞の付く以前の初期の作品である。
 ドキュメンタリー制作会社のアシスタントを務めるルーンが、ニューヨーク8番街を歩いていると、後方で強烈な爆発音が響いた。通り過ぎたばかりのポルノ映画館が爆破されたのだ。狂信的な宗教団体によるテロだと推測された。雑用しかやらせてもらえず、早くまともなドキュメンタリーをつくりたいと思っていたルーンは、この事件を追ってみようと取材を開始する。だが、事件をただ扱うのではありきたりだ。そこで彼女は、爆破された映画館の看板を飾っていたポルノ女優シェリー・ロウに焦点を当てた作品にしようと思い立つ。嫌がるシェリーを説得して承諾を得たのも束の間、今度はルーンの目の前でシェリーが爆殺されてしまう。テロは見せかけで、本当の狙いはシェリーだったのではないか。ルーンは早速シェリーの身辺を探り、何人かの容疑者が浮かび上がるが、危険は彼女の周辺にも迫ってくる……。
 近年のディーヴァーに比べれば、テンポはゆるやかで密度も薄く、いささか物足りない感じがないでもないが、ディーヴァーお得意の複層的などんでん返しはきちんと用意されている。無垢で世間知らずのルーンが事件を通して徐々に成長していくというこのシリーズは全3作。未訳の残り1冊も邦訳が待たれる。〈石〉



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